2019年9月3日火曜日

粋と耳の穴

みやげで貰った木彫の耳かき
ウッフン♪


そうして、かような媚態が
「いき」の基調たる「色っぽさ」を規定している。

九鬼周造『「いき」の構造』より







歳をとると鼻の穴が大きくなるそうだ。
周りの筋肉が衰えることが原因と聞く。

近ごろ、シャワーを浴びると 
やたら耳の中に水が入るようになった。
風呂上がりには綿棒が必須である。

まさか、加齢で耳の穴まで拡がるのだろうか。

それで人の話しや意見がきちんと聞けるようになれば良いのだが、
実際は歳とともにより頑固に、より意気地になる一方だ。


耳の穴かっぽじって聞きやがれ…と啖呵を切るのは江戸っ子の粋である。

大正/昭和の哲学者 九鬼周造によると粋(いき)とは
意気地と媚態と諦めの織り合わさった心的態度であるという。

歳とともに意気地になって、
それでも人の話を聞こうと媚態をつくり、
てやんでえ、やっぱり駄目だと諦める。

そんなので粋になれたら結構なのだが…

いくら綿棒で耳の穴かっぽじったって、
粋にもなれぬし、人の話もやっぱり聞けない。
野暮にばかりなってゆく。


耳の穴が拡がることなどない気がするが…

コンチクショウめ。
今宵も耳にこもった水がしゃらくさい。
















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