みやげで貰った木彫の耳かき ウッフン♪ そうして、かような媚態が 「いき」の基調たる「色っぽさ」を規定している。 九鬼周造『「いき」の構造』より |
歳をとると鼻の穴が大きくなるそうだ。
周りの筋肉が衰えることが原因と聞く。
近ごろ、シャワーを浴びると
やたら耳の中に水が入るようになった。
風呂上がりには綿棒が必須である。
まさか、加齢で耳の穴まで拡がるのだろうか。
それで人の話しや意見がきちんと聞けるようになれば良いのだが、
実際は歳とともにより頑固に、より意気地になる一方だ。
耳の穴かっぽじって聞きやがれ…と啖呵を切るのは江戸っ子の粋である。
大正/昭和の哲学者 九鬼周造によると粋(いき)とは
意気地と媚態と諦めの織り合わさった心的態度であるという。
歳とともに意気地になって、
それでも人の話を聞こうと媚態をつくり、
てやんでえ、やっぱり駄目だと諦める。
そんなので粋になれたら結構なのだが…
いくら綿棒で耳の穴かっぽじったって、
粋にもなれぬし、人の話もやっぱり聞けない。
野暮にばかりなってゆく。
耳の穴が拡がることなどない気がするが…
コンチクショウめ。
今宵も耳にこもった水がしゃらくさい。
0 件のコメント:
コメントを投稿