2018年11月22日木曜日

秋を数える







行く我(われ)に とゞまる 汝(なれ)に 秋二つ

正岡子規



夏目漱石と正岡子規。
東京で出逢った二人の深い友情は、

漱石が教師として赴任し、
また子規が療養のため帰郷した松山の地で、
再び紡がれることになる。

これは子規があらためて上京する際に
松山に残る漱石に贈った句である。



写真は、小さなお客さまの忘れもの。

次回のご来店までお預かりしておこう。

小さな秋がここにもひとつ。








2018年11月4日日曜日

目止めを施す

くつくつくつ、鍋の中では陶器が揺らいでいる。




した方が良いという。

いやいや、
カビや匂いの原因になる、
しないが良いとの意見もある。

果たして本当の正解は分からぬものの
何はともあれ、手に入れた器はまず最初に目止めを施す。

米の研ぎ汁でゆっくりと
弱火で炊いてあげるのだ。

陶器を頑丈にし、
汚れにくくするのが狙いであるが、

それだけではない。

これはまた
新しい器を迎える際の
歓迎のセレモニーであり、

大切に使うぞという、
宣誓の儀式であったりもするのだ。



“用いるにつれて器の美は日増しに育ってくる。”    

          − 柳宗悦



培われていくその美を景色を貫入を
楽しみながら愛でていきたい。

お客様にも、お、この器もだいぶ育ってきたなぁ…

なんて思っていただけたら、いいなぁ。