2018年11月4日日曜日

目止めを施す

くつくつくつ、鍋の中では陶器が揺らいでいる。




した方が良いという。

いやいや、
カビや匂いの原因になる、
しないが良いとの意見もある。

果たして本当の正解は分からぬものの
何はともあれ、手に入れた器はまず最初に目止めを施す。

米の研ぎ汁でゆっくりと
弱火で炊いてあげるのだ。

陶器を頑丈にし、
汚れにくくするのが狙いであるが、

それだけではない。

これはまた
新しい器を迎える際の
歓迎のセレモニーであり、

大切に使うぞという、
宣誓の儀式であったりもするのだ。



“用いるにつれて器の美は日増しに育ってくる。”    

          − 柳宗悦



培われていくその美を景色を貫入を
楽しみながら愛でていきたい。

お客様にも、お、この器もだいぶ育ってきたなぁ…

なんて思っていただけたら、いいなぁ。






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