2019年4月27日土曜日




4/27、4/28は
イベント営業となっております。

通常の喫茶は提供しておりませんので、
お気をつけ下さい。





2019年4月26日金曜日

GW期間の営業予定





   GW期間の営業

   4/27 (土) - イベント営業
   4/28 (日) - イベント営業
   4/29 (月) - 通常営業
   4/30 (火) - 通常営業

   5/01 (水) - 通常営業
   5/02 (木) - COFFEE & QUIET 12:00 - 17:00
   5/03 (金) - 通常営業
   5/04 (土) - 通常営業
   5/05 (日) - 通常営業
   5/06 (月) - 通常営業
   5/07 (火) - 通常営業
   5/08 (水) - お休み





*通常営業時間 11:00 - 18:00

*食材在庫の都合によりメニュー内容が縮小される場合がございます。

*4/27、4/28はイベント営業となります。
 通常カフェ営業はございませんのでご注意ください。

「時と珈琲」入場料¥1500.1ドリンク付き

*COFFEE & QUIET営業では私語はご遠慮いただいております。
ブラックの珈琲、番茶、簡素なおやつのみと提供となりますことをご了承ください。







2019年4月22日月曜日

ゾンビ!





風邪をひいた。

寝込む程でもないのだが、
それなりにだるい。

しかしそこでひとつ気が付いた。

準備や片付けなど、
いつも直ぐに気が散って、なかなかはかどらないのに、

心身が不活発な方が、妙に仕事が進むのだ。

意識が冴えず身体も重いと
あれこれ思いついたり多動にならずに良いようだ。


まるでゾンビみたいだなと、
そう思った。



アフロビートの創始者フェラ・クティの代表曲に
zombie』というものがある。



クティはミュージシャンでありながら、
自らの共和国(コミューン)をナイジェリア国内に樹立し、
国家を相手に闘争を続けた凄まじい人物だ。

zombie』は敵対するナイジェリア軍を
自分の意思を持たない脳無しゾンビの群れに例えて痛烈に揶揄してみせた曲である。



友人の営む店はいつも大盛況で忙しそうだ。

その店では決まってフェラ・クティがかかっている。

まさか、彼も心身の困憊を凌駕したゾンビ兵か?

いや、それはない。
彼も、彼の作る料理も生命感に充ちている。



ゾンビ然は僕だけか。

思考も戦争反対も手放したくはないが、
治るまで今しばらくはこのまま重い身体を引きずって暮らそう。



ジョロ、ジャラ、ジョロ!

左へ、右へ、左へ、ほれ曲がれ!

クティの嘲笑が聴こえてきそうだ。



2019年4月14日日曜日

ジャンゴと往こう




沖縄の道をのんびり車で走るのは愉快なものである。

当時僕ら二人ともペーパードライバーで、
お互いの運転にヒヤヒヤ肝を冷やしていたとしても、だ。



そもそもの始まりはTからの電話だった。

「ジンベイザメ見に行かない?」といきなり聞いてくるので
「うん、いいよ」と応えたら、

「じゃあ、明後日、那覇空港に集合ね」とのこと。

そういう奴だ。

呆れていてもしょうがない。
まずは急いで航空券を手配しなくては。


        


那覇には違う便で着いた。
1時間ほど先に到着していたTと合流し、
そこから先はレンタカーでの移動になる。

旅の支度をきちんとする時間は殆どなかった。
着の身着のままといった態だ。

けれども数日間のドライブを見越してだろう、
二人ともCDだけは十分に持参してきた。

車での移動は、
初めての沖縄にキョロキョロしたり、
思わぬ寄り道をしてみたり、
やっぱり互いの運転にヒヤヒヤしたりしながらも、
同時にドライブに最高に合うBGM探しの時間でもあった。



僕は普段、あまりヴォーカルの入った曲は聴かないけれど、
車中では結構歌ものが好きである。

街なかを走る時は歌うに限る。
歌って、気勢をあげるのだ。

その時もあれやこれやと、
通常は絶対に聴かないようなJ-POPまで用意したものである。


けれども暢気な道行きに気勢はいらない。

道中、僕らが選んだ車内BGM大賞はジャンゴ・ラインハルトと相成った。

悠々とした沖縄の道に、気楽な2人の旅の空。
ジャンゴのギターがよく似合う。

僕らを運ぶ自動車さえもが、なんだか幌馬車のように思えてきたぞ。

ジプシー気分でさぁ進もう!てなもんである。


今でも愉快な行楽にはジャンゴ・ラインハルトをよくかける。






そうそう、当初の目的であるジンベイザメ。

僕はてっきり野生のものが観察できるのかと思っていたけど、
まさか水族館だったとは。とは言えガラス越しのジンベイもいいものだ。


師匠の始めたカフェ、波羅蜜への挨拶もしたいし、
ジャンゴ聴きつつまた沖縄に行きたいものである。





















2019年4月8日月曜日

モグラ革の手帳







基本的に手帳は持たない。

何故なら、暗記できる程度しか用事がないから。


けれども今回、久し振りに手帳を買ったのは、
少しく予定というやつが賑わってきたからだ。


以前から もし手帳を持つなら
モレスキンのものと決めている。

ヘミングウェイが用いただとか、
ゴッホやピカソが使っただとか、
名だたる名士が愛用したとされるモレスキンのノートであるが、

僕の場合は、いつも同社の手帳を携行したという
紀行文学作家のブルース・チャトウィンへの憧憬を表してだ。


ただし、チャトウィンの著作の中では
モレスキンとではなく「モグラ革のノート」と訳されていたと思う。


きっと元々は名の通り、
モグラ(mole)の革(skin)の表装だったのだろう。

作家仲間であるレドモンド・オハンロンの思い出話の中でも
やはりチャトウィンの手荷物は
「黒いオイルクロスで覆った本物のモグラ革のノートブック」とある。


そういえば作品の中でチャトウィンは愛用のモグラ革ノートが
生産中止だと嘆いていた。

もしかしたら現在は何処か他社がライセンスを買い取って
現行の合成皮革表紙のものを生産しているんじゃないかと思うが、

細かいことは気にしない。
肝心なことはチャトウィン気分が味わえるかどうかだ。


彼の遺作となった『ソングライン』には、
それまで彼が手帳に書き溜めてきた旅にまつわる沢山の覚え書きが
散り散りに配置されている。

僕は暇な時、それらをパラパラひもとくのが大好きだ。




手帳を手にしたところで、
どうせ僕の予定など埋まるべくもなく、
結局 空白だらけになるのだろう。

それならばチャトウィンに倣って、
さまざまな引用やこころ覚えを書き記しておくのも良いかもしれない。


店を持ち、子を持ち、
さらにその店が流行らないとなると、
さすがにおいそれと旅をするわけにもいかぬ。

しばらくは旅の空想を書きしたためて、
机上の冒険を楽しむに留めよう。
彼だってノートにこう遺している。




”放浪癖について最も説得力ある分析をした人物の多くは、
なんらかの理由で移動を制限されていた。
胃病と片頭痛持ちであったパスカルしかり、
薬物依存者であったボードレールしかり、
幽閉の憂き目に遭った十字架のヨハネしかり。
フランスの批評家のなかには、コルク張りの部屋にこもって
執筆に没頭したプルーストを、文学界きっての旅人と呼ぶ者もいる”と。