2019年4月14日日曜日

ジャンゴと往こう




沖縄の道をのんびり車で走るのは愉快なものである。

当時僕ら二人ともペーパードライバーで、
お互いの運転にヒヤヒヤ肝を冷やしていたとしても、だ。



そもそもの始まりはTからの電話だった。

「ジンベイザメ見に行かない?」といきなり聞いてくるので
「うん、いいよ」と応えたら、

「じゃあ、明後日、那覇空港に集合ね」とのこと。

そういう奴だ。

呆れていてもしょうがない。
まずは急いで航空券を手配しなくては。


        


那覇には違う便で着いた。
1時間ほど先に到着していたTと合流し、
そこから先はレンタカーでの移動になる。

旅の支度をきちんとする時間は殆どなかった。
着の身着のままといった態だ。

けれども数日間のドライブを見越してだろう、
二人ともCDだけは十分に持参してきた。

車での移動は、
初めての沖縄にキョロキョロしたり、
思わぬ寄り道をしてみたり、
やっぱり互いの運転にヒヤヒヤしたりしながらも、
同時にドライブに最高に合うBGM探しの時間でもあった。



僕は普段、あまりヴォーカルの入った曲は聴かないけれど、
車中では結構歌ものが好きである。

街なかを走る時は歌うに限る。
歌って、気勢をあげるのだ。

その時もあれやこれやと、
通常は絶対に聴かないようなJ-POPまで用意したものである。


けれども暢気な道行きに気勢はいらない。

道中、僕らが選んだ車内BGM大賞はジャンゴ・ラインハルトと相成った。

悠々とした沖縄の道に、気楽な2人の旅の空。
ジャンゴのギターがよく似合う。

僕らを運ぶ自動車さえもが、なんだか幌馬車のように思えてきたぞ。

ジプシー気分でさぁ進もう!てなもんである。


今でも愉快な行楽にはジャンゴ・ラインハルトをよくかける。






そうそう、当初の目的であるジンベイザメ。

僕はてっきり野生のものが観察できるのかと思っていたけど、
まさか水族館だったとは。とは言えガラス越しのジンベイもいいものだ。


師匠の始めたカフェ、波羅蜜への挨拶もしたいし、
ジャンゴ聴きつつまた沖縄に行きたいものである。





















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