風邪をひいた。
寝込む程でもないのだが、
それなりにだるい。
しかしそこでひとつ気が付いた。
準備や片付けなど、
いつも直ぐに気が散って、なかなかはかどらないのに、
心身が不活発な方が、妙に仕事が進むのだ。
意識が冴えず身体も重いと
あれこれ思いついたり多動にならずに良いようだ。
まるでゾンビみたいだなと、
そう思った。
アフロビートの創始者フェラ・クティの代表曲に
『zombie』というものがある。
クティはミュージシャンでありながら、
自らの共和国(コミューン)をナイジェリア国内に樹立し、
国家を相手に闘争を続けた凄まじい人物だ。
『zombie』は敵対するナイジェリア軍を
自分の意思を持たない脳無しゾンビの群れに例えて痛烈に揶揄してみせた曲である。
友人の営む店はいつも大盛況で忙しそうだ。
その店では決まってフェラ・クティがかかっている。
その店では決まってフェラ・クティがかかっている。
まさか、彼も心身の困憊を凌駕したゾンビ兵か?
いや、それはない。
彼も、彼の作る料理も生命感に充ちている。
ゾンビ然は僕だけか。
思考も戦争反対も手放したくはないが、
治るまで今しばらくはこのまま重い身体を引きずって暮らそう。
ジョロ、ジャラ、ジョロ!
左へ、右へ、左へ、ほれ曲がれ!
クティの嘲笑が聴こえてきそうだ。
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