2018年3月19日月曜日

読書の悦びに劣らずと




喫茶店の主人は黒子のように、
空気のように、

存在を潜めて
お客さまのくつろぎの邪魔をしてはなりません。

あまり干渉することもなく、
プライベートな質問など必要以上に
お客さまにしないのがマナーです。

近すぎず、とは言えあまりに遠のくこともなく、
程よい距離感を呈示できるのが
良い喫茶店の条件かなと思います。

さて、そんな信条とはうらはらに、
不肖ヒマダコーヒーの主人には、
よくない癖がひとつあります。

それは、読書中のお客さまの
読まれている本が気になって仕方がないことです。

読んでいる本のタイトルや内容を、
知られたくない方もたくさんいらっしゃるでしょう。

それは承知しているつもりですので、
極力お伺いしないようにはしているのですが、

実は「何を読んでいるのですか?」と聞きたくて
もじもじしていることが、よくあります。

  また主人のデリカシーない質問により、
  ご不快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、
  この場を借りてお詫び申し上げます。

ヒマダ主人も浅学ながらも本好きの端くれ。
あわよくば本トークがしたいのです。

読書中のお客さま、お気をつけ下さい。
狙われていますよ。

そしてもし、殊勝にも少しお喋りして良いという方がいらっしゃいましたら、
どうぞお手元の本のことをお教えください。


読書の悦びに劣らず、
お客さまと静かに語らうやりとりもまた、
喫茶店主人の恭悦のひとつでございます。










0 件のコメント:

コメントを投稿