2020年2月21日金曜日

重さと軽さ




もっとも重い荷物というものはすなわち、
同時にもっとも充実した人生の姿なのである。
重荷が重ければ重いほど、われわれの人生は地面に近くなり、
いっそう現実的なものとなり、より真実味を帯びてくる。

それに反して重荷がまったく欠けていると、人間は空気より軽くなり、
空中に舞い上がり地面や、地上の存在から遠ざかり、
半ば現実感を失い、その動きは自由であると同様に無意味になる。

そこでわれわれは何を選ぶべきであろうか
重さか、あるいは、軽さか?

ミラン・クンデラ 『存在の耐えられない軽さ』より




この10kgは何よりも重く、
そして何よりも軽やかなのだ。










0 件のコメント:

コメントを投稿