どんな音楽が流れるか。
それはカフェにおいて、メニューや接客と同じくらい肝心なことだとヒマダコーヒーは考えます。
ロックがかかればロックな店に、
ロックな店にはロックな人が…
流れる音楽によって、店の性格が決まると言っても過言ではないからです。
さて、昨年の9月にオープンいたしましたヒマダコーヒーですが、開店に際しての記念すべき1曲目は何をかけるか、僕もいろいろ考えました。
なぜなら、その1曲で今後の店の運命が決定づけられる…
さすがにそれは大袈裟ですが、そのようにあれこれ考えるのも楽しい夢想です。
自分の世界を丁寧に描き出すセロニアス・モンクのソロピアノには倣うところ多いぞ。
いやいや初心という意味ではグレン・グールドのデビュー作品、バッハ『ゴルトベルク変奏曲』なんか良いな。
それともライ・クーダーの愛すべき『Cancion Mixteca』も…
かけたい曲は数え切れません。
そんなふうにしながら準備を進めていれば、あっという間に開店時間。
何はともあれオープンの看板を外に出し、そそくさと開業です。
気付けば選曲はなおざりのまま…
その時 かかっていたのは準備中に聴いていたマイケル・ハーレイ
大好きなミュージシャンです。
呑気で、いなたく、調子外れ。そしてどこか鄙びてて。
僕の思い描くヒマダコーヒーにぴったりかもしれません。
成り行き任せでいいじゃない。
候補していた曲らは うっちゃって、オープンしたばかりの店には、そのままハーレイの唄が流れ続けました。
常にその場の空気を読み取り、適当なBGMを選曲。
音量の微妙な強弱までも完璧に管理して空間をプロデュース。
そうなれれば理想ではありますが、なかなか思うようには出来ない面もありますし、再生機器に少し手を焼いているのも現実です。
それでも、お客様の過ごす時間と場所に、ささやかながらも好い音楽を添えてゆけたらと、そう思います。
どうぞ 憩いにいらして下さい。
明日あたりもマイケル・ハーレイが流れているやもしれません。
店主 敬白